佐藤葉子先生の論文が、Annals of Nuclear Medicine誌に掲載

2021年03月29日

山梨PET画像診断クリニック院長 佐藤葉子先生の論文 Optimal relaxation parameters of dynamic row-action maximum likelihood algorithm and post-smoothing filter for reconstruction of dedicated breast PET が、Annals of Nuclear Medicine 誌に掲載されました。 PubMedを見る

 

【論文解説】

 乳房専用PETは全身PETに比べて高分解能でより小さな乳房病変を描出することが出来ます。この乳房PETでは、得られた生データから、DRAMA法という逐次近似法が用いられて画像が作られます。この方法は、全身PETで現在一般的に用いられている方法(OSEM)に比べて短時間でより良い画質が得られます。
 本研究では、このDRAMAにおけるパラメータの一つ(β)と、画像の滑らかさを調整するpost-filterの2つについて、さまざまな組み合わせで画像を作成し、定性的・定量的に画質を評価しました。ファントム(乳房と乳癌を模して作った人工物)と実際の乳癌患者さんの画像の両者を解析し、臨床的に適した再構成条件を導き出しました。
 画像の撮像・再構成条件は画像機器メーカーが推奨するものや、各施設で以前から採用しているものを慣習的に引き継いでいることが多いと思います。しかし、それが本当に検査の目的に合っているのか疑問を持ち、自ら科学的に検証することは画像診断医の役割の一つと考えています。
 
佐藤葉子