集中講義 第21回 「MR基礎3:T1緩和 」報告

2016年05月30日

5月30日(月)第21回

「MRI基礎3:T1緩和」 講師:本杉先生

 

【秋田知子の集中講義日記】

T1緩和、T1コントラストについてご講義いただきました。励起(送信)からエコー(受信)までがエコー時間(TE)であり、励起(送信)から次の励起(送信)までが繰り返し時間(TR)であること、これらTEやTRを調節することで必要な情報を取り出すという原理になっていることを学びました。MRの画像の左下にTR,TEが何ミリ秒か記されていたなんて。暗号のようにしか見ていませんでした。今回のテーマであるT1強調像のためには、TRを短く、TEを短く(T2を強調しないために)、そしてFA(フリップアングル)を大きくとるということでした。そして進出単語、ふりっぷあんぐる??あんぐりと口をあいてしまったのですが、その実、部分フリップ角を持たせた励起パルスをかけることで短いTRでもある程度の信号を得ることができるという原理でした。フリップアングルを大きくするとtissueコントラストがわかりやすいという説明において、「仕事のできる奴と仕事のできない奴を比べるには、負荷を大きくすることで差が歴然となる」という喩えをもって、なるほど!という感じでした。

MRIに限ったことではないのでしょうが、性質が違うものをいかに違うように「見せる」か、そのためにいかに評価・順位付けをするか。この発想や技術が画像診断の命綱なのだと思いました。常に負荷をかけられて順位付けをされているプロトンさん達に、ちょっとした同情の眼差しを向けたくなる今日この頃です。