本杉准教授と市川先生が共著の論文、European Radiology 誌に掲載

2016年07月07日

本杉准教授と市川新太郎先生が共著の論文(Outcome of hypovascular hepatic nodules with positive uptake of gadoxetic acid in patients with cirrhosis)がEuropean Radiology 誌に掲載されました。  PubMedを見る

【論文解説】

ガドキセト酸(EOB造影剤)造影MRI の肝細胞相において低信号を示す結節は,乏血性であっても病理学的には肝細胞癌の可能性が高いことが知られています(早期肝細胞癌).事実,乏血性の低信号結節をフォローすると,これらの結節は年間10 – 20% の確率で古典的な肝細胞癌に変化します(脱分化).一方,肝細胞相で高信号を示す結節は良性結節であること可能性が高いと考えられています.しかし近年,高信号を示す乏血性結節の中にも肝細胞癌と診断される症例があることが報告され,高信号結節の自然史が注目されていました.

この研究では乏血性の高信号結節の自然史は,低信号結節とは異なりほとんど古典的肝細胞癌には移行しないことを示しました(年間1%以下).例外はあるものの,基本的に高信号結節は良性結節として取り扱ってよいと考えられます.

本杉宇太郎