市川新太郎先生の論文が、Journal of Magnetic Resonance Imaging (JMRI) 誌に掲載

2016年11月29日

市川新太郎先生の論文(Noninvasive hepatic fibrosis staging using mr elastography: The usefulness of the bayesian prediction method)が、Journal of Magnetic Resonance Imaging (JMRI) 誌 に掲載されました。  PubMedを見る »

【論文解説】

MRエラストグラフィはMRIを用いて物質の固さ(=弾性率)を計測する手法であり、肝線維化ステージの診断に有用な検査であることがここ数年多数報告されています。当院からもいくつか報告していますが、従来は各ステージごとに弾性率のカットオフ値を設定して診断していました(カットオフ法)。
(例:肝硬変のカットオフ値を4.7kPaと設定した場合、それより計測値が高ければ肝硬変であると判断し、低ければ肝硬変に至っていないと判断。)
この手法でも優れた診断能が示されていましたが、感度と陰性的中率がやや低い傾向にありました。そこでさらに診断能を向上させるために、今回はベイズ理論を用いて検討を行いました。ベイズ理論を用いると検査結果から事後確率を求めることができます。
(例:弾性率が4kPaだったので80%の確率で肝硬変である、など)
(ベイズ理論に関してはこのホームページ上にリンクがありますので、ご参照ください。https://yamarad.jp/wp/shindan/bayesian/
今回の検討では事後確率が高い患者群をピックアップすると、いずれの線維化ステージの診断においても従来のカットオフ法よりも診断能が向上するという結果を得ることができました。
ベイズ理論は様々な検討に応用することができますので、興味のある方は是非上記リンクにアクセスしてみてください。

市川新太郎