齋藤正英 先生の論文が、J Appl Clin Med Phys 誌に掲載

2017年06月28日

齋藤正英 先生(医学物理士)の論文が、Journal of Applied Clinical Medical Physics 誌に掲載されました。 

論文タイトル:Comparison of DVH-based plan verification methods for VMAT: ArcCHECK-3DVH system and dynalog-based dose reconstruction   PubMedを見る

【論文解説】

強度変調放射線治療(IMRT)は腫瘍に線量を集中させ、かつ正常臓器への線量を減らすことができる高精度な放射線治療のひとつです。ただ、現状ではその複雑さゆえに、治療計画を立案した後、患者さんを模擬した物体(ファントム)を用いて実測検証することが必須となっております。しかしこの方法の場合、患者さん体内の線量分布そのものは検証できません。この問題点から、近年では患者さん体内の線量分布を見積もるための患者線量再構成法に関する研究が進んでおります。今回の論文では、照射時に使用されたリニアックの機械的パラメータを用いた患者体内線量再構成法を開発し、従来の実測値を使用する方法と比較しました。この方法にはまだまだ問題点はありますが、患者さんの体内線量を用いて放射線治療の品質管理ができる方法であると同時に、実測の必要もありませんので業務の簡便化にもつながると期待しております。

齋藤正英