本杉准教授と市川新太郎先生が共著の論文がJMRI誌に掲載

2017年09月08日

本杉准教授と市川新太郎先生が共著の論文が、Journal of Magnetic Resonance Imaging 誌 に掲載されました。

論文タイトル:Dose-dependence of transient respiratory motion artifacts on gadoxetic acid-enhanced arterial phase MR images.  PubMedを見る

【論文解説】

肝特異性造影剤は肝疾患の診療に欠かせないMR造影剤です.その有用性は確立されてきており,日本のガイドラインでも第1選択薬として用いるよう指針が示されています.近年,この造影剤を使用すると一過性に呼吸困難感が出現する人がいることが報告されました.呼吸困難感自体は自然に寛解するため問題になりませんが,呼吸が苦しくなるため(もしくは苦しく感じなくても)撮像中に息を止めていることができなくなるのが問題になるのです.なぜなら肝臓は呼吸で動く臓器なので,撮像を行なう間(20秒間ほど)は息を止めていてもらう必要があるからです.この現象の原因は分かっていませんでしたが,今回の研究では造影剤投与量が多いと呼吸性アーチファクトが起こりやすい(息を止めていられない人が多くなる)ことを示しました.呼吸性アーチファクトのないきれいな画像を撮るために造影剤量の決定は重要な因子であることが分かりました.

本杉宇太郎