本杉宇太郎准教授の論文が、Radiology誌に掲載

2018年11月02日

本杉宇太郎准教授の論文「Four-dimensional Flow MRI as a Marker for Risk Stratification of Gastroesophageal Varices in Patients with Liver Cirrhosis」が、Radiology誌に掲載されました。  PubMedを見る

 

【論文解説】

この論文は4D flow MRIを肝硬変症例における胃食道静脈瘤のリスク評価に応用することを提案しています.肝硬変の合併症として知られる胃食道静脈瘤は,突然の吐血で発症し時に死に至る重篤な病態です.出血を回避するため肝硬変症例において上部消化管内視鏡で定期的なスクリーニングが行われます.しかし,静脈瘤は見つからず出血のリスクは低いと判定される,すなわち内視鏡検査が空振りで終わることが少なくありません.MRIは肝細胞癌のスクリーニングのために定期的に行われる画像検査ですが,この研究ではMRIを用いた門脈の血流量測定が胃食道静脈瘤のリスク予測に有用であることが示されました.4D flow MRI は近年開発された新しい技術であり,体内の血管内の血流を正確に測定し,さらに血液が流れる様子を動画で示すことができます.今まで心臓,大動脈,脳血管などへの応用が報告されています.