留学報告 ~本杉宇太郎~

【留学報告    ~本杉宇太郎~】

米国ウィスコンシン大学放射線科にて2年間MRI関連のリサーチを行いました.

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夕暮れ間近のスペリオル湖.広大な湖に沈む夕日は絶景でした.

ウィスコンシンはシカゴの北に位置する中北部の州です.東はミシガン湖,北はスペリオル湖に面しています.海はありませんが海はありませんが,州内には大小様々な湖が無数にあり夏になると多くの人が湖のビーチでゆっくりと休暇を過ごします.緑が多い印象があるのは,平野が多く街中でも芝生の公園や空き地が多くみられるからでしょうか.ウィスコンシン大学のあるマディソン市は州都ですが,いわゆる都会の雰囲気はなくゆったりと時間が流れている感じがしました.

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州都ですのでCapitol があります.世界各国から集めた石でつくったマディソン自慢の建築物です.夏にはこの周辺で毎週土曜日に農家直売のマーケットが開かれます.

 

 

 夏は涼しくて非常に過ごし易いですが,冬には一面が雪景色となります.そのためウィンタースポーツは人気で,街中の公園に野外アイススケート場(無料)がオープンします.ゴルフ場を利用したクロスカントリースキーや,ダウンヒルスキー(日本でいういわゆるスキー場)も近くの山で楽しめます.

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マディソンは2つの大きな湖の間に位置します.そのひとつMendota 湖が冬場に全面氷結してその上に立っている写真です.3月もそろそろ半ばですが春はもう少しおあずけです.

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィスコンシン大学放射線科は世界的にもMRIの研究で名を馳せています.国際磁気共鳴医学会の中心メンバーが多数在籍し,いわゆるMR界を動かしている主要施設のひとつです.私が所属したScott Reeder のラボでは,多くの若い研究者が研究費で雇われており彼らとの共同作業は非常に刺激になりました.興味深いことに,このラボに在籍する純粋なアメリカ人は0人で,リーダーのScott はカナダ人,医者は日本(私),ドイツ(Peter, Sonja ),スイス(Tilman)からのVisiting Professorで,Scientist の出身地はスペイン,コロンビア,インド(2世でしたが),香港,中国,カナダとまさに人種のるつぼ.それぞれが比較的自由にそして高い志で研究に取り組んでいました.私にとっては,研究仲間にたくさん出会えたことが何よりも大きな財産です.今後は山梨・ウィスコンシン間でリサーチコラボレーションもできます.ちなみに,ウィスコンシンで開発された4D-flow MRI のシークエンスが,山梨大でも来月から稼働する予定になっています.

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研究棟の中.新しくてきれいな研究棟でしたが,その隣に同じサイズの研究棟がさらに新設されました.研究に対して予算がきちんと確保出来る環境は羨ましい限りですね.

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ラボのメンバーと.私の隣にいる白髪のナイスガイがボスのScott Reeder で,GE社製MRに搭載されている肝脂肪率を測定するツール ”IDEAL-IQ”の開発者です.今年(2016)の国際磁気共鳴医学会ではProgram Comittee の長を務めています.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供達は現地の小学校へ行きましたが,それぞれ自由な雰囲気の学校生活を楽しんだようです.友人には恵まれて,家族ぐるみで一生付き合える友人もできました.マディソン在住の日本人の方々とも仲良くしていただきました.子供達も日本語でも遊べる環境がうれしかったようです.

仕事面もそれ以外もとても充実した2年間でした.日本では得ることができない,かけがえのない経験をさせていただけたました.教室員の皆様に心から感謝しています.

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2年間住んだアパート.部屋は広く家族6人でも十分すぎるほどでした.

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アパートの隣にある公園.サッカー場5−6面は簡単に作れる大きさです.